車体に直接パテ盛りして原型を作れば綺麗に出来そうですが、さすがにそんな事は出来ませんから車体形状をトレースして原型を製作するためのベースを作っていきます。
車体に入念にマスキングテープを張り込んでから純正のフェンダーアーチをマーキングし、新たに作りたいフェンダーアーチラインを決めていきます。
小型ギャレーキット でのFRPシンクを製作に引続きFRP自作DIYを紹介していきます。
今回は、ホンダバモス系のオーバーフェンダー製作です、バモスは純正だと車高が高くタイヤとフェンダーアーチ部分の隙間が非常に広いです(軽箱バンで車高が低いのは無いから他車種も同様ですが…)
社外のダウンサススプリングに交換したりエアロバンパーを取り付けてカッコよく車高短している車も見掛けますが、結構費用が掛かりますし乗り心地が悪くなるのはイヤなので…
車高短風に見えるオーバーフェンダーがあるといいなと思いネットで調べて見ましたが、 2〜3cm幅を広げるためのオーバーフェンダーは販売してありましたけど、フェンダーアーチのラインは純正に近い形状のようでした。
全幅が広がり過ぎて車検に通らないのも困りますし、ボディーにビス固定で穴が開くのもイヤなので自作することにします。
純正のフェンダーアーチよりもフロント約4cm・リヤ約5cm下げてタイヤとの隙間を少なくし、横幅の増加は片側10mm以内に収めて両面テープで固定し車検に通るように製作するのが目標です。
エアロ製造メーカーの方たちがどのようにして製作しているのか分かりませんが、今回も FRPボディとその成形法 という本を参考にして作っていきます。
車体に直接パテ盛りして原型を作れば綺麗に出来そうですが、さすがにそんな事は出来ませんから車体形状をトレースして原型を製作するためのベースを作っていきます。
車体に入念にマスキングテープを張り込んでから純正のフェンダーアーチをマーキングし、新たに作りたいフェンダーアーチラインを決めていきます。
新たなフェンダーアーチを決めるのに使用したのはプラスチックのアングル。
L型のアングルを縦割りにして使用します、自然なアーチラインが作れてちょうど良かったです。
4ヶ所のフェンダーで同様の作業を行ないますが、左右のバランスを合わせるのが結構ムズカシイです。
アーチラインが決まったらベースとなるFRPを張り込んでいきますので、これでもか!というくらい入念にマスキングを行います。
FRP樹脂がしみ込んでボディが傷むと最悪なので、2重にマスキングした上にPPテープを張ってから離型ワックス・PVA処理を行ないました。
FRPガラスマットを張り込んで乾燥させます。
乾いたら取り外します、心配していたボディへのダメージも無く一安心です。
取り外したベースを確認します、新たなフェンダーアーチのツメ部分まで張り込んでL型になっているので、それなりに強度が出ていて何とかなりそうです。
余りにペラペラで強度がないと車体接合面の形状が安定しないのでベースになりませんからね。
不要部分をカットして(実際に製作する製品よりも余白を多めに取っておきます)アーチ部分の造成に入っていきます。
ボディと両面テープで固定する部分は盛上げませんのでマスキングテープで養生します。
結構な量のパテが必要となりそうなので、コストが安い 石膏 を利用してある程度まで盛上げます。
石膏は水と混ぜる割合、硬化時間のデーターを取りながら使用しないと結構扱いが難しいです。
石膏はペーパーで研磨するとすぐに目詰まりするのでノコ歯を利用して削っていきます。
パテの使用量を減らすための底上げなので大まかにザックリと削りました。
続いてパテ盛りですが、FRP樹脂に タルク という粉末を混ぜて樹脂パテを作りパテ盛りを行ないます。
乾燥したら荒めの空研ぎペーパーで研磨し形状を決めます。
形状が決まったら細目のポリパテで仕上げのパテ塗り
巣穴やペーパー目を消しながら滑らかに仕上げます。
パテ研ぎが完了したらプラサフを塗装して、乾燥後に塗装肌を目の細かいペーパーで研磨したら原型の完成です。
要点のみを説明すると簡単に出来そうに感じるかも知れませんけど、FRP製作は既に原型がある物のコピー品は作りやすいのですが原型から製作するのは結構大変です、はじめてFRP製作にチャレンジする人は小さくて単純な形状の物のコピーから練習した方が良いでしょう。
いきなり難しい製品の製作にチャレンジすると大半の人は挫折するかと思います…
FRP繊維が体に刺さってチクチクしたり辛い思いもしますので『二度と作業したくない!』となるかも知れませんね。
樹脂の硬化剤の量・硬化時間などデーター取りをしながら簡単な物で練習して製品が完成する達成感が得られると色々な製品を作りたいという意欲が湧いてくると思いますよ。