まずは分割式の雌型を組み立ててから離型ワックスを塗る→拭き取るを3〜5回繰り返します。
1回目の製品製作の場合は特に入念に離型ワックスを塗った方が良いです、2回目以降は前回のワックスが残っているので1〜2回でも大丈夫でしょう。
離型ワックス処理が完了したら、PVA離型剤を塗布します。
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水タンクの場所により給排水口の位置が決まっているため、シンクと給水口部分が隣接してFRPの張り込みがチョッと大変です。
給水口とシンクの位置を離すと仕切り板側との距離が近くなり過ぎて作業がし難くなるので仕切り板側には、FRP用ローラー が入るスペースを確保するように配置しました。
FRP樹脂の塗布にはローラー・刷毛を使用しますが面積が広い部分はローラーを使用した方が塗布効率が良いですからね、夏場は特に硬化が始まるのが早いので効率良く作業できるように考えないといけません。
ガラスファイバーの積層はサーフェースマットとガラスマットで約1mm位の厚みになるよう製作してみます、強度が足りないようだったらガラスクロスを追加しようと思いますが、それほど強度が必要な製品ではありませんから大丈夫でしょう。
まずは分割式の雌型を組み立ててから離型ワックスを塗る→拭き取るを3〜5回繰り返します。
1回目の製品製作の場合は特に入念に離型ワックスを塗った方が良いです、2回目以降は前回のワックスが残っているので1〜2回でも大丈夫でしょう。
離型ワックス処理が完了したら、PVA離型剤を塗布します。
ゲルコートをスプレーガンで塗布(メス型のゲルコートと同色なので塗れているのか画像では分かり難いですね…)
塗装に自信が無い場合はメス型と製品は違う色のゲルコートを使用するとムラ無く塗布できているか分かりやすいですよ。
ちなみにプロの人は高性能なメス型専用のゲルコートを使用されます、こだわるならば型用のゲルコートを購入するとよいでしょうが結構高価です、頻繁にFRP製作を行なわないと使い切る前に使用期限を迎えてしまいますからなかなか手が出ませんね。
ガラスファイバーの張り込みに入る前にサーフェースマット・ガラスマットを裁断して準備して置きます、型紙を作っておくとファイバーの裁断がラクです。
サーフェースマットをFRP樹脂で張り込みます。
樹脂に硬化剤を入れる際はピペットで正確に計量します。
気温、添加割合によって硬化時間が変わるので、毎回の気温、硬化剤の添加割合、硬化時間のデーターを取っておくと次に作業する時の参考になります。
特に少量のみ樹脂を作るときは硬化剤を入れるのが難しいです。
ガラスマットは厚みがあるので、面積が広かったり、複雑な形状でファイバーを継ぎ足す場合は、 継ぎ目部分はハサミやカッターで切断せずに手でちぎった方が継ぎ目が綺麗に仕上がります。
画像で乗せているガラスマットが1枚分でシンクの窪み部分と給排水パイプ部分は別でガラスマットを準備していますので継ぎ目部分は手でちぎっています、外周部分は継ぎ目は無いのでハサミで裁断しています。
曲面や角部分でガラスマットが馴染まず張り込み難い部分は、事前にガラスマットを 軽く揉み解しておくと馴染みやすいです。
ガラスマットの張り込み完了
角部分はガラスマットが集まって厚みが厚くなっていますので 硬化後に削ります。
FRP樹脂が硬化したらメス型を外します。
まずは仕切り板側の方から。ヘラを差し込んでエアーガンでエアー圧を掛けるとパカッと外れました。
次は問題の給排水口のある側です、外周部分にヘラを入れエアー圧を掛けても外周部分しか剥がれませんでしたが、こうなることは想定していたので給排水口側からエアー圧を掛けて、パカッンと外れてくれました。
ゼロ勾配の給水口が抜けてくれるか心配でしたが無事に外れて一安心です。
カットした仕上がり寸法はこのような感じです。
強度の方はどういう感じかといいますと、広い平面部分はたわみますが各所に角部分を作っているので結構シッカリしています。
天板側はシンクの窪みや給水パイプ部分などがあるので厚みの割りに頑丈な感じがします。
RVボックスにセットしてみます。
原型をボックスにセットして確認する事が出来なかったので、 チョッと心配していましたが、なかなか良いフィット感です。
黒色同士で分かり難いですが、水タンク側との仕切り板部分もこの通り良い感じですね。
シンクの排水口と排水タンクの接続はどうするかと言いますと、
エーモンのタンクに付属しているノズルを切断すると丁度良く接続出来るように設計しています。
使用後はノズルを外してタンク側面に付属している内蓋を付ける事により水漏れの心配もありません。
内蓋で栓をした状態でもFRPシンクの排水口とタンクが当たらないようにクリアランスも考えて作っています。
給水タンク側は普段の移動時は内蓋で栓をして使用時のみ栓を取り外してポンプを差し込むと良い訳です。
原型製作から長い道のりでしたがやっと形になりました、あとは細かな仕上げを残すのみです。