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アクティ・バモス・ホビオのメンテナンス「リヤブレーキ」

リヤブレーキ分解ブレーキドラムスピンドルナット締め付け注意点

バモス・アクティのリヤブレーキ分解ですが、特殊工具がないと適切に作業する事が難しいので、DIYはオススメしません。

ブレーキ関係の作業ミスは重大は事故になりかねませんので作業する時は必ず経験者に監督・検査してもらいましょう。

バモス・アクティを所有している人はメーカーから『リヤスピンドルナット締め付けの留意点』 というダイレクトメールを受け取った人も多いのではないでしょうか? バモス・アクティ以外にもライフ・ザッツ・フィットなどにも対象車がありますので相当な人のところに案内が届いたはずです。

内容は”ナットが適切に締め付けてないと最悪の場合タイヤが外れる恐れが有ります、適切な作業を行い、ナット部分の割りピンを専用のベターピンに交換する”というものです。

こういう案内が出るという事はそれなりの数のトラブルが発生しているのだろうと推測できます、通常、自分でリヤブレーキドラムを取外す人は少ないでしょうから、車検整備などで取外した時に適切な締め付けが行なわれていないケースがあるという事が予想できます。

まずは、ジャッキアップしてタイヤ上下を持ってベアリングのガタを確認します、スピンドルナットの締め付けが適正でない場合はガタが出ていることが多いです。

バモス ハブキャップ取り外し

ホイールを外したらハブキャップを取外します。

ハブキャッププライヤー という専用工具を使うと綺麗に外すことができます、過去にマイナスドライバーで叩いて外されていると叩いた部分が傷んでいて見た目も悪いし水が浸入しやすくなるので良くないです。

基本的にはキャップは外したら新品に交換するように書いてありますので、傷んでいるなら新品に交換しましょう。

バモス ベターピン

画像のピンが対策済のベターピンです。

すでにベターピンが使用されているなら、過去に締め付け確認が行われていると言う事になります。

バモス スピンドルナット

スピンドルナットを取外す場合は必ず位相マーキングを書いておきます。

過去に一度も分解されていなければマーキングを合わせるだけでも適正締め付け位置から極端に大きく外れることは無いでしょう。

過去にどこかで分解されている場合は、その時トルクレンチで計測しているか分かりませんから当てになりません。

バモス ブレーキドラム取外し

ブレーキドラムを取外す時は必ず スライディングハンマー と言う特殊工具を使用します。

スピンドルをハンマーで叩いたり、プーラーで押したりすると、スピンドルが押し込まれてしまいドラム圧入代が減少し正しく取付けられなくなります。

バモス リヤブレーキ分解

黄色の矢印部分がブレーキ隙間を自動調整する部分です。

赤の矢印部分の板形のスプリングを外すとブレーキシュー等の装置が取外せます。

スプリングを押すのにドライバーなどを使用した方が外し易いかと思いますが基本的に手で分解可能です。

簡単に分解出来てしまうので調子にノッて左右同時に分解作業して組付け時に悩まないよう気をつけて下さい、画像を撮影しておくか左右順番に分解するようにしましょう。

バモス リヤブレーキ分解

取外したブレーキ部品

通常10万キロ走行でもブレーキシューの厚みは半分は残っている事が多いです、荷物を積載して走ることが多い場合は減ってるかもしれませんが…

自動調整部のグリース切れで適切な調整が出来ないことがありますので調整ネジがスムーズに動くか確認します。

基本的に分解した時は古いグリースを洗浄して新しいグリースを塗布します、ネジを取外す場合は分解前の全長を計測して組付け時に同じ長さにしておくと良いです。

バモス リヤブレーキ分解

バックプレート側も各所にグリースが塗って有りますので古いグリースは洗浄して新しいグリースを塗布します。

ブレーキシリンダーのピストンカップを交換する場合は、この時点でピストンを取外してカップ交換を行ないます。

カップ交換を行なう場合は同時にブレーキオイル交換・エアー抜きという作業が必要になります。

あとは逆手順で組付けて行く訳ですが、メーカーから送られてきたDMによると

リヤスピンドルナット締め付け作業要領と重要な注意点

@スピンドルおよびブレーキドラムのスプライン部とネジ山部を目視点検し、損傷や異物・錆付着が無いことを確認する

※スプラインやネジ山に損傷や異物噛み込みがあると、ねじ込む際のカジリや抵抗となり、見掛け上のトルクは上がるが、締め付け力(軸力)は上がりません

Aハブベアリングインナーレースとブレーキドラムの当り面と圧入嵌合部に損傷や異物・錆付着が 無いことを確認する

※当り面や圧入嵌合部に損傷や異物噛み込みがあると、正規の圧入状態になりません、異物や錆が有る場合は、必ず清掃や修正を行い、傷・損傷か有る場合は新品部品に交換してください

Bスピンドルのスプラインに合わせてブレーキドラムを突き当たるまで挿入する

Cスピンドル先端にワッシャ(2枚)をセットする

Dナットの座面部とネジ部にオイルを薄く塗布しナット座面が当るまで工具を使わず手で仮締めする

※ネジ山や座面接触部の滑りを良くしねじ込む際のカジリや抵抗を減らすための重要な作業です※インパクトレンチでの締め付け厳禁

Eタイヤ/ホイールを取付け、タイヤを接地させた状態で必ずトルクレンチを使用し規定トルクまで締め付ける

※規定トルク:196N・m(20.0kgf・m) 圧入および軸力を保証するには、規定トルクを厳守することが絶対に必要になります※トルクレンチは規定トルク以上測定できる物を使用すること

F締め付け後、スピンドルとスピンドルナットのマーキングがほぼ合っている事を確認する

Gベターピンを手でセットし、新品のハブキャップを確実に取り付ける

※ベターピンが手でスムーズに入らない場合はブレーキドラムが正しく組みつけられていないため再度ブレーキドラムを取外し、嵌め合い分を点検してから組付け直して下さい※次回以降のブレーキドラム分解時はベターピンを再使用して下さい

上記のように記載して有りますので確認しながら組付けていきます。

バモス スピンドルナット締め付け

サイドブレーキを解除してタイヤに輪止めをしてトルクレンチで締め付けます、20kgf・mともなると締め付けるのにも結構な力が必要です。

普通はインパクトレンチで締めてしまうでしょうから、サイドブレーキを引いた状態でインパクトレンチで締めていたりすると規定トルクに達しておらずガタが出るというパターンがあるのかも知れませんね。

バモス ハブキャップ取り付け

スピンドルナットを締め付けできたらハブキャップを取り付けます。

丁度良いサイズの塩ビパイプを利用するとキャップに傷を付けることなく綺麗に取り付けできます、塩ビパイプはオイルシールの取付けなどでも活躍します。

ハンマーで直接叩かれて凹んでいるキャップを見るとショックですね、キャップを嵌めるという簡単な作業ですがこういう所にこそ作業者の性格があらわれます。

個人的には、丁寧な作業を行う人は細かな所も手を抜かず仕上がりも綺麗! 細かな所で雑な作業をする人は他の部分も作業が雑!と推測してしまいます。

バモス リヤブレーキ調整窓

基本的にブレーキシューとブレーキドラムの隙間は自動調整ですが、バックプレート裏には調整窓があります。

ブレーキ調整工具

私は自分好みのペダルタッチになるよう調整窓から隙間調整をしますが、調整窓の位置が悪く非常に調整がし難いです、隙間を詰め過ぎると戻すのが大変なので普通は手を出さない方が良いです。

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